【デザイン大全】打ち合わせにも勉強にも役立つデザイン書
更新日:2023.02.27
デザインを勉強しているとたくさんのデザイン参考書籍が発売されていますよね。
デザイン大全は数あるデザイン書の中でも特に事例も解説も豊富で、すぐにでも欲しいと思った本でした。
ぜひ様々な方にオススメしたい一冊です。
こんな方にオススメ
・デザインの言語化が苦手
・デザインのゴールが定まらない
・デザインの引き出しを増やしたい
概要説明
デザイン大全
著作者は尾沢早飛さんです。
全部で280ページ以上もある大ボリュームのデザイン参考書です。
横から見るとかなり分厚いです!ですがA5サイズなので持ち運びにも便利です。
こんなことが載ってある
①豊富なジャンルで現代的なデザイン
②デザイナーによるデザインの解説
③デザインの要素を抽象的に説明
豊富なジャンルで現代的なデザイン
きれいなデザイン、明るいデザイン、信頼感のあるデザインや心に響くデザインなど全部で12チャプターもの幅広いデザインが掲載されています。
12チャプターの中からさらにデザインが掘り下げて掲載されているのがまるで辞書のようです。
例えば、きれいなデザインというチャプターの中には透明感のあるデザインやピュアなデザイン、洗練されたデザインなど一言で「きれい」と言っても様々な切り口からデザインを見ることができます。
デザイン大全を開いたとき、「これもきれいなデザインなんだ」や「こんな見せ方も良いんだ」と自分の固定概念に気付くこともありました。
デザイン自体どれもスタイリッシュさやシンプルさのある現代的なデザインです。
なのでスーパーのチラシや市の催し物のポスターなど、親しみや要素を盛り盛りにしたデザインをお探しの方は少し物足りないかもしれません。
ですが現代的なデザインは大体網羅できそうです。
眺めているだけでも楽しくなりますよ。
デザイナーによるデザインの解説
各デザイン事例には、「なぜそのデザインにしたか?」がデザイナー視点から解説されています。
デザインの言語化が苦手な方や、普段他のデザイナーの提案を聞くことがないという方はかなり勉強になりそうです。
私も読んでいて思わず「へぇ~」となるような説明が書かれており、デザインを解説する語彙力も高まりそうです。
そのデザインをデザインたらしめている要素は何か
なぜそのデザインにしたのか?という解説は、様々なデザイン事例集でも見かけますが、デザイン大全はさらに踏み込んで要素の解説までしてくれています。
解説は4つの構成で写真・色・レイアウト・文字について書かれています。
この解説がかなり重宝するのではないかと思っております。
デザインを参考にする際、なんとなく参考元のデザインに引っ張られることが良くあります。
恐らく参考デザインの抽象化があまりできていないのでしょう。
参考元になんか似ている…著作権的にも良くない。
でも思いっきり変えてもいまいちなデザインになる…と良く頭を悩ませていました。
デザイン大全のデザイン解説では抽象的にどの要素を使えば〇〇なデザインに見せられるということまで解説してくれています。
例えばシンプルなデザインの場合、文字はイメージを極力与えない書体を選ぶ…ということが書かれています。
無意識に簡素なフォントを選んでいましたが、見る側にイメージを与えないということまで考えられていませんでした。
ですが、抽象的な解説なので今度自分でシンプルなデザインを作る際はなるべくイメージを与えないフォントで…と目的をもってデザインを作ることができます。
再現性が高くかつ参考元に似すぎない、目的を持ったデザインが作れるのではないでしょうか。
また、『あたらしい、あしらい』と合わせて読むとさらにデザインの幅も広がりそうです。
こんな場面で役に立つ
ではこの本は実際にどんな場面で活躍するのでしょうか。
①クライアントワークや上司への提案する時
②クラウドワークスで方向性を決める時
③自分の引き出しを増やしたい時
クライアントワークや上司への提案する時
豊富なデザイン事例が掲載されているので、打ち合わせの時に活用できそうです。
デザインに詳しくないけど何かかっこよく…
オシャレな感じにつくってほしい!
などの要望をいただいても、「かっこいい」「オシャレ」は人によって異なりますよね。
大まかなジャンルをまずは聞き出し、デザイン大全でさらにイメージの深堀を行います。
イメージを言語化するのが苦手な方でもビジュアルが豊富なので「このイメージに近い!」などの考えを引き出せそうです。
索引はデザインのサムネイルと一言解説が載っているので、一気に比較することができて時間がない場合も役に立ちそうです。
クラウドワークスで方向性を決める時
クラウドワークスのコンペに挑戦する方も多いのではでしょうか。
私も何度かバナーコンペに応募したことはありますが、1度も採用されたことはありません…
仕様書はありますが、どうも漠然としているのでそもそものゴールをどうしたら良いかわからないこともあります。
打ち合わせもないので、イメージの擦り合わせもなかなか難しいですよね。
あくまで自分が想像する答えでデザインを作ることになるので、本当にこれで良いのかな…と迷いが生じ制作に時間もかかるのではないでしょうか。
まず自分の中でだけでもゴールがわかれば1案は作りやすくなりそうです。
そこでデザイン大全を参考に自分なりのゴールを設定します。
もちろん仕様書はしっかり読み込む前提です。
最初からpinterestを使うと、たくさんのデザインが見れるので逆に迷いすぎて結局答えが見つからない…ということもありました。
デザイン大全は本なのである程度イメージが絞れます。
イメージが固まってからさらにpinterestでデザインの幅を広げるという使い方もできそうです。
以前バナーを作った記事を書いたのですが、その時もイメージがわかず何度も修正して結局微妙なデザインだったこともあります。
その時にデザイン大全があればもう少し早くデザインをできたかもしれないなと思いました。
自分の引き出しを増やしたい時
普段デザインを観察する時、自分が興味のあるデザイン以外をじっくり観察することもなかなか少ないのではないでしょうか。
苦手なテーマのデザイン依頼が来たとき、そもそも調べることに時間がかかりそうですよね。
そんな時もデザイン大全が役に立ちそうです。
普段ちょっと時間が空いた時などデザイン大全を開いてパラパラ眺めるだけでも引き出しが増えそうです。
ぜひ普段はあまり観察しないデザインにチャレンジしたいところですね。
デザインを作る方だけでなく絵を描く方にもぴったり
個人的に絵を描くことが好きなのですが、絵を描く時のアイデア出しにもぴったりだと思いました。
一見イラストには関係なさそうなジャンルのデザインこそ、イラストに素敵なアクセントをもたらしそうです。
まとめ
これまで様々なデザイン事例集やギャラリーサイトを参考にしていましたが、正直うまい使い方が掴めずにいました。
これからはデザイン大全を辞書代わりにまず自分なりのイメージを固めて参考デザインを見たりデザインの作成をしたりとできそうです。
そんなおすすめの一冊でした。